猫と相撲と文房具(ときどき野球)。猫町フミヲの妄想の日々。


by nekomachi_fumiwo
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屋上から通天閣。

引っ越して来てずいぶんたってから、マンションに屋上があることに気づいた。
最上階に住んでいるはずなのに、ときどき上から下りて来る人がいる。
工事関係の人など特別な人しか上がってはいけないのかと思いしばらく様子を見ていたが、どうやら住人たちが普通に出入りしている模様。
大家さんにそれとなく聞いてみると、共用スペースとのこと。
とある休日に上がってみた。

屋上だった。
四方にぐるりと柵があり、中央に大きくロの字に物干が渡してある。
そのロの字の間に何本も洗濯ロープが渡してあり、つまりは誰でもここに洗濯物を干してもよい空間のようだった。
部屋にはベランダがなく、小さな物干竿を渡すのが精一杯の窓しかなく、いったいシーツはどこに干せばよいのか、ふとんはどうすればよいのかと思っていたのでほっとした。
なんて素晴らしいんだ。
実家を離れてここが7箇所目の住処だが、屋上がある物件は初めてだった。

以来ちょこちょこ屋上に出向くようになった。
洗濯物を干すのが主な目的だが、何しろ屋上だ。
わくわくする。
もしこの洗濯ロープじゅうにシーツがはためいている光景であれば、それは2時間サスペンスドラマのラスト近くのシーンでもあるだろう。
犯人(=私)を追いつめにくる刑事はたいていはためくシーツの間からやって来るものだ。

刑事「あなたにはまたお会いすることになると思っていましたよ」
猫町「……」
刑事「あなたは頭のいい人だ。最初から一つも嘘をついてはいなかった」
猫町「……」

どんな話なんだ。

とにかく屋上である。
この休みも屋上にちょろちょろと出入りした。
普通の洗濯物を干したり、大きな洗濯物を干したり、ふとんを干したり。

こんな素敵な屋上だが、屋上からの眺めは最悪である。
眺めというものがまずない。
同じくらいの高さの建物がごちゃごちゃと密集している地域らしく、運動神経0の私でもビルからビルに容易に飛び移れるくらいだ。
あまりにも密集しているのでどこかをうっかり覗いてしまいそうだし、屋上でうろうろする私もきっと誰かに覗かれているだろう。
だからいつも長居できずにこそこそと退散する。

でも空がある。
風も。
それだけで屋上は十分に魅力的だった。
そして遠くに通天閣。
洗濯物を取り込むころ、暮れ落ちた町の彼方にライトアップされた通天閣が見えるのだった。

播州の片田舎から東京へ、東京から大阪へ。
大阪に住んでもう10年以上。
3つの町を経て、今は通天閣を見ている。

すごいことになってきたなあ。
ほんとすごいことになってきたよ。

何がすごいのかよく分からない日々を私は生きる。
生き続ける。
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by nekomachi_fumiwo | 2009-11-09 23:38 | 日記