猫と相撲と文房具(ときどき野球)。猫町フミヲの妄想の日々。


by nekomachi_fumiwo
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闇を走る。

何もない真っ暗な道を歩いている。
母親の実家に向かっているのだ。
ところどころにある街灯の付近だけがぼんやりとオレンジ色で、それ以外は真っ暗である。
右側に大きな川が流れているらしく、私が歩いているのは土手の上の車道である。
車道であるが、深夜なので車一台走っていない。
車道の真ん中を私は急ぎ足で歩いている。

母親の実家は最寄り駅から車で20分近く走らないと着かない田舎である。
いまだかつて歩いて行ったことなどない。
しかし、そこで母は私を待っているのだ。
終電で着いてしまったことを告げるときっと怒られるだろうし、この時間なら迎えにも来てくれないだろう。
自力で何でもない顔で歩いて帰って、平気な顔をするしかないのだ。

暗闇は恐ろしかった。
暗闇の中で遭遇してしまうかもしれないアクシデントが恐ろしかった。
正確にはアクシデントそのものよりも、アクシデントに遭遇した場合の私の至らなさを母親がどう責めるかが恐ろしかった。
どうして暗闇の中を歩いて帰って来たのかと厳しく問いつめられるだろう。
できるだけ早く着かなければならない。
そして平気な顔をしなければならない。

闇の中でときどきすれ違うトラックや車の運転手が犯罪者に豹変しないことを祈りつつ、私は走り出す。
数を数えながら走り出す。
街灯や電柱を数えながら走る。
130まで数えたところで、敷きぶとんを抱えながら走っていることに気づき、即座にこれを「そり」にすることを思いつく。

車道にふとんを広げて腹這いになる。
道はゆるやかな下り坂であり、ふとんはほどよい速さですべっていく。
そのまま身を任せているとすぐに猛スピードになってしまうので、スピードが出過ぎないようにふとんを操縦しながら速度を調整する。
ときどき信号があり、そのたびに減速させて止まる。
これを繰り返すうちに、やっと見覚えのある場所まで来る。
ふとんのそりのおかげで常識的な時間に着くことができそうだ。

ある交差点で信号が点滅している。
ふとんのそりのまま真っすぐ突っ込もうとする。
そこへ消防自動車がサイレンを鳴らしながら右手からやってくる。
急ブレーキをかけるが、消防自動車はのんきに信号を守っていて拍子抜けする。
急停止した私の横を、拍子木を打ちながら「火の用心」「火の用心」と青年団がゆっくり通り過ぎて行く。
青年団の中に前の職場の上司が見える。
ああ、こんなことをやっていたのかと思う。
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by nekomachi_fumiwo | 2008-01-13 12:40 | 夢日記