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猫と相撲と文房具(ときどき野球)。猫町フミヲの妄想の日々。


by nekomachi_fumiwo
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uniの新製品発表会に行く。

職場に出入りしている事務用品業者のお兄さんにもらった招待券を握りしめ、「uni新製品発表会」にまにすたと出かけた。
昨年は長期休暇中で行けず、代わりに行ったS嬢に後日商品サンプルをもらうという非常に悔しい思いをしたので、どうしてもどうしても行きたくて有休までとって出かけたが・・・いまいちであった。

油性ボールペンなどのサンプルももらったし、水彩色鉛筆セットももらったし、最後にはくじびきでuniのロゴ入りエコバッグもゲットしたが、殺伐とした気持ちは最後までぬぐい去れなかった。
会場の面積に比してスタッフの数が多すぎた。
そしてそのスタッフの多くから文房具に対する愛がほとんど感じられなかった。
スタッフが少なかったらごまかせたかもしれないそういう空気が、スタッフが多いだけに会場に充満していた。
コンパニオン的なお姉さんは致し方ないにせよ、それぞれのコーナーにいる社員ぽい人からも愛や熱意を感じることはできなかった。
一応商品の説明はしてくれるのだが、何の興奮も感動もない。
ただただおざなり。
緊張しているとかシャイとか疲れているとかそんな雰囲気でもない。
ただただ淡白。
そういう空気からこちらが感じたのは、そんなに一生懸命しなくてもなんとかなっていく大きい会社なんだろうなあということだけだった。

中でも泣きそうになったのは、uniのペンと他社のペンの性能を比べるコーナー。
なるほどuniのペンは確かに優秀で、ビニールとかガムテープみたいにつるつるしたものの上でもくっきり書けた。
サクラのネームペンやゼブラのマッキーは全然太刀打ちできなくて、しょんぼり転がっていた。
しかし、説明してくれた人はuniのペンの性能をどんどん話すだけだ。
そこには他社のロングセラー商品を上回る性能を持ったペンをついに開発したというキラキラした興奮は皆無で、今まで何度もした説明を繰り返しているだけなのだった。
私はマッキーがかわいそうでたまらなかった。
ゼブラがuniに勝てる商品を一つでも思いつきたかったのに、思いつけなくて泣きそうになった。

uniのイベントだから、もちろん「uni万歳」な排他的な空気でもそれはそれでいいと思う。
だけど、自分たちは新しくて楽しくて素敵な文房具を開発していて、それを売っているんだという誇りや興奮がないので、並べられている商品がどれも味気ないものに見えてならなかった。
それはとても残念なことだった。
商品は確かに素晴らしい。
だけどその素晴らしさを伝えるのはやはり人でなくては。
そのためのイベントなのではないのか。

おそらく、あそこは私のようなただの文房具マニアが行くところではなかったのだろう。
彼らは単に仕事をしていただけなのだ。
今度店に並べる商品を決めるのに、愛や熱意や興奮はいらないのだろう。
かといって、商品について圧倒的な知識があるわけでもないのが悲しさに拍車をかけた。
今までは多色しかなかったクリフターという油性ボールペンに単色バージョンが出て、油性ボールペンマニアの私はその替芯が楽ノックのものと同じかどうかが気になって質問したのだが、答えはお粗末なものであった。
替芯の質問などああいう場では喜ばれないのだろうが、それなりに対応してほしかった。
エコ商品を開発したり、最後にエコバッグを配るほど環境問題に関心が高いのなら、替芯についての知識も持っていてほしい。
替芯など、もうけにはつながらないどころかむしろマイナスなのであろうが、大事なことだ。

筆記具のユーザーが一番恐れるのは、自分が愛用しているモデルがいつかなくなるかもしれないということである。
新商品が出るとなると、もしかして従来のモデルが廃盤になるのではと恐ろしい気持ちになる。
従来の商品とどう同じでどう違うのか。
バージョンアップしたものなのか、似て非なる新商品なのか。
従来の商品は今後も生産され続けるのか。
これは意地悪な気持ちからではなく、純粋に筆記具を愛する者として当然のこだわりから発する疑問なのだ。

あの会場にわらわらといたスタッフの何人が、筆記具について真面目に考えているのだろう。
新しいインキとかグリップといった筆記具の性能のうわべだけが取りざたされているようで悲しかった。
手書きするということ、あるいは手書きされるものから生み出されるものについてどれほど分かっているのだろう。

商品への愛や、仕事への熱意がいかに大事かということを考えさせられる一日となった。

↓水性/油性マーカーコーナーにあった豚のオブジェ。
何でも願い事を書いていいということだったので、まにすたと私の共通の願い事を。

uniの新製品発表会に行く。_b0070470_23484751.jpg
by nekomachi_fumiwo | 2007-08-23 23:56 | 文房具ぶんぶん倶楽部