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猫と相撲と文房具(ときどき野球)。猫町フミヲの妄想の日々。


by nekomachi_fumiwo
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環状線の中のスウィート。

先日の酔っ払い六人衆事件以来、前々からあまり好きでなかった環状線がますます苦手になってしまった。
どこかに出かけたあとに乗ることが多いからかもしれない。
乗客もまた全員そんな感じで、みんなくたびれてせつない顔(また明日から仕事かあといった感じの顔)をしているのもやるせなさに拍車をかける。

先週の日曜日もせつない時間帯にせつない環状線に乗った。
ホームで列を作って電車を待っている間から、視界の端に酔っ払いのおじさんがいることに気づいていた。
そしてホームに電車が入ってきたとき、どさくさにまぎれて酔っ払いのおじさんが列を斜めに突っ切り、乗客を十数名ごぼう抜きしてふらつきながら車内に入っていくのも視界の端でとらえていた。
静かに額に「怒」の文字が浮き上がる。
しかしこの日はあまりにも疲れていたし、それ以上に電車が混んでいた。
私は何も考えないようにつとめながら、窓の外を見つめた。

そのうち酔っ払いのおじさんはお約束のごとく、何かよく分からないものに対してからみはじめた。
電車が混んでいるので確認できなかったが、相手のいる喧嘩ではなさそうな感じで、何を言っているのか分からないが、大きな声ですごんでみたり、挑発してみたり、いろいろやっている。
乗客はひどく迷惑そうで、ときどき混んでいるにもかかわらず車内がしんとなったりする。
先日の酔っ払い六人衆のときもそうだったが、私は態度の悪い輩の行為それ自体にというよりも、その輩によって周りが迷惑し、安全や安心が脅かされているという状況に我慢がならない。

いらいらしながら降りる駅が来るのを待っていると、私の隣でぴったりと抱き合っているカップルの彼氏のほうが、酔っ払いのおじさんを気にして腹を立てているエビちゃん風の彼女に、「ああいう人はな、嫌なことがいっぱいあんねん。だからしょうがないねん」とやさしく囁いているのが聞こえた。

スウィート・・・
しかしなんて心の広い御仁や・・・

いがいがしていた私の気持ちが少しずつおさまっていくのを感じた。
人目をはばからず二人羽織のように抱き合っていても、ええ人はええ人や。
「まなぶっち」と呼ばれていたその彼氏に感謝しながら私は電車を降りた。

酔っ払いのおじさんも一緒に降りた。
また!?
by nekomachi_fumiwo | 2006-11-28 23:37 | 日記