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猫と相撲と文房具(ときどき野球)。猫町フミヲの妄想の日々。


by nekomachi_fumiwo
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一人祝勝会(流血)。

失業中に見境なく応募したもののうち、「届かなかったラヴレター2005」という手紙コンクールにて佳作賞に選ばれたという通知を受け取った。
賞品は図書券500円分。
ブービー賞のようなものであるが、うれしいことはうれしい。

夕食後、ささやかに祝勝会を開くことにして冷蔵庫からワインを出す。
数年前にいただいたワインだが、お酒だし大丈夫だろうと軽い気持ちで開けはじめたのだが・・・。
コルク抜きをぎゅっぎゅっと回しながら押し込んでいく。
スクリューの根元まで差し込んでから引き抜く。
引き抜く。
抜く。
抜、く。
抜けない。
ふっ。
こんなことは想定内だ。
以前も一発では開かなかったではないか。
もう一度(9行前から)やりなおしだ。
コルク抜きをぎゅっぎゅっと回しながら押し込んでいく。
スクリューの根元まで差し込んでから引き抜く。
引き抜く。
抜く。
抜、、、、く。
抜けない。
あれ?
もう一度やりなおしだ(これを数回繰り返す)。

最初のうちはぱらぱらと浮いている程度だったワインの中のコルク片が、みるみるうちにその数を増し、そのうちに「コルク酒」といった感じになっていく。
しかしあとにはひけない。
なにせ祝勝会なのだ。
一瞬冷蔵庫の中で冷えている他の酒のことが頭をかすめたが、こうなりゃ意地だ。
鬼のような形相でコルクと格闘し続ける私を、猫のハナヲがずいぶん離れたところから見守っている。

何度目かの挑戦で思いきりコルク抜きを引き抜いたとき、いきおいあまってコルク抜きを太ももに刺してしまった。
ぎゃーっす!
あわててジーパンを脱ぐともちろん流血の惨事。
私はいったい何をやっているのか。
ハナヲはますます遠くからこちらをうかがっている。

そこまでしてもワインは開かなかった。
コルクの穴からワインが出てこないものかとひっくり返してみると、確かに出てくるのだが、二十二世紀になりそうなスピードである。
しかも瓶をさかさまに向けている状態では何もできない。
しかたなくワインをさかさまに持ったまま、今日こそは見るまいと思っていた野球を見てしまう。
しばらくして、グラスにほんの少したまったワインを飲んでみると意外と美味。
じゃあ頑張るしかないではないか。

その後もありとあらゆることを試し続けた。
しつこくコルク抜きを回してみたり、部屋の隅で瓶をさかさまにして「しずくワイン」をどんぶりにためてみたり(この段階ですでに祝勝会ではない。誰がどんぶりでワインを飲みたいであろうか)。

そしてついに私はコルクを破壊することに成功した。
シャッ!(思わずガッツポーズ)
やっとこれでワインが飲めるぞ。
すっかりぬくもってしまったワインをもう一度冷蔵庫で冷やす。

ワインを開けはじめてから2時間半以上が経過した午後10時半。
コルクを茶こしでこしながらマグカップでワインを飲んだ。
ばんざい・・・。
by nekomachi_fumiwo | 2005-05-12 22:54 | 日記