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猫と相撲と文房具(ときどき野球)。猫町フミヲの妄想の日々。


by nekomachi_fumiwo
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新聞切抜曼荼羅。

新聞の切り抜きが趣味である。
趣味というよりも習慣みたいなものかもしれない。

中学二年生のとき社会科の先生に、新聞の切り抜きをとにかく一年間続けるように言われたのが始まりで、それからずっと続けている。
といっても、きちんとノートに貼ったりしていたのは中学二年生のときぐらいで(提出を義務づけられていた)、あとは適当に切り抜いてファイルに挟んでいるだけの杜撰な管理であった。
何度かこれでは意味がないと気づいてスクラップブックを買ったりしてみたのだが、きれいに切って貼るのがどうしても面倒ですぐにためこんでしまう。
それに面積の広い記事をうまくスクラップブックに貼るも難しく、そのうち切り抜くだけになってしまった。
しかし、切り抜いた新聞記事は傷むのが早い。
日に焼けて変色し、ぺりぺりになってくる。
きちんとバインダー式のクリアファイルに保存しておけばいいのかもしれないが、切り抜く枚数が多いため際限なくお金がかかりそうで嫌だった。
結局たどりついたのが、興味のある記事を切り抜かずに、その記事が載っているページごとちぎって保存する方法である。
これならば変色してもぺりぺりにはならない。
ただし欠点がある。
非常にかさ張るのだ。
興味のある記事の載ったページをちぎった状態でA2サイズ。
それを二つ折にしてA3サイズ。
無造作に積み上げていると、単なる新聞紙の山である。
これをなんとかすべく数十センチにもなる新聞紙の山(ここ二年ぶんくらい)に分け入った。

厖大な新聞紙をジャンルごとに分類する。
その過程で、A2サイズをA3サイズにできそうなもの(記事が二つ折にした折り目にまたがっていないもの)はA3サイズにする。
すでに興味を失ったもの、重要でないものは捨てる。
これで幾分かさが減った。
新聞記事を切り抜かずにその日の新聞を丸ごと保存していたものもあり(北朝鮮拉致問題、9・11のテロなど)そういうものもどんどんスリムにしていく。

数時間かけて作業は一段落したが、それでも相当な量である。
主な分類は以下のとおり。

1)文芸評論
2)読書欄
3)政治、経済
4)くらしの知恵、健康法、生き物
5)お笑い、芸能、演劇、映画
6)関西に関する記事
7)スポーツ
8)ウケねらいもの
9)かわいい女の子

圧倒的に分量が多いのが1)文芸評論である。
個人的に興味のある文芸評論だけでなく、歴史や思想などの人文科学書に関する記事も多く保存していたようだ。
一昨年前に亡くなったエドワード・サイード、昨年亡くなったスーザン・ソンタグ、ジャック・デリダ、網野善彦などの追悼記事、あるいは吉本隆明や小熊英二、姜尚中のインタビュー記事などなど。
本屋で人文書を担当していたこともあって、普段棚で目にする本に関するものは興味の有無に関わらずとっておくことにしていたようである。
懐かしいのでこれらはあまり減らさないことにする。
自分の興味で切抜いたものでは、やはり詩歌に関する評論や現代文学に関する評論が多い。
若い女性二人が芥川賞を受賞したときの記事は何度も読んだのに捨てられない。

1)とは別に2)読書欄の切り抜きも多い。
朝日新聞の「穂村弘さんのポケットから」を全部と、読売新聞の穂村弘の書評。
あとは川上弘美の書評など。
ひいきにしていた出版社の本が大きく書評に取り上げたのがうれしくてとっておいたものもある。
やはりおいておくことにする。

3)政治、経済は、おもにイスラム情勢やそれに関連してナショナリズムを論じた記事が多い。
イスラム関係はずいぶん減らしたが、アラファト氏の死去に関するものはおいておくことにする。
彼にはずいぶんと惹かれるものがあった。
あとは姜尚中の記事がやはり多い。
単なるミーハーである。

意外と普通なことに興味を持っていることに気づいたのが、4)くらしの知恵、健康法、生き物であった。
「キレイの基本は姿勢から」とか。
そんなものに興味があったとは自分でも驚きである。
あとは写真がかわいいという理由だけで、やけにペンギンやアザラシの記事が多いのにもびっくりだ。
新聞紙とは思えないほど写真がきれいのでやはりおいておくことにする。

5)お笑い、芸能、演劇、映画、も分量が多かった。
記事というよりも写真がいいというだけでとってあるものも多い。
捨てると後悔しそうでやはりとっておくことに。
お笑いの記事が意外と多かった。
最近興味が出たように思っていたのだが、数年前から興味があったようだ。
M-1グランプリを制する前のフットボールアワーの記事もあり、感慨深い。

地元を愛しているのか、6)関西に関する記事も多い。
朝日新聞の夕刊の地方版のページは郷愁をそそるものが多く、どれも捨てられない。
関西人についての分析(ボケとかツッコミとか)も役立つことが多いので、おいておくことにする。

1)に続いて分量の多かったのが、7)スポーツ。
昔から意外とスポーツ関係の切り抜きには熱心である。
古くは伊達公子やグラフの記事をせっせと切り抜いていたものだ。
今年はオリンピック関係のものだけでも大量にある。
減らそうとするが、すでに選び抜かれたページが残っていたとみえて深入りは断念。
一昨年の阪神タイガース優勝に関する記事も、これでもかというくらいある。
オールスターにたくさんの選手が選ばれた時の記事、マジックが初点灯、優勝、日本シリーズ全試合、御堂筋パレードなどなど。
もう二度と優勝しないかもしれないのですべて保存することにする。
貴乃花引退の記事もすべてとってあった。
この日はわざわざスポーツ新聞まで買ってある。
好きだったのだ。

8)ウケねらいもの、や9)かわいい女の子、になってくるともうむちゃくちゃである。
8)はためこまずに見つけたときに小さく切り抜いてすぐに使用(妹への手紙に貼るなど)するようにしているのでそんなにはなかった。
ものすごくおもしろかった四コマ漫画や、私によく似た人のイラスト(悩んでいるような顔をした若者の顔が自分にそっくり)、真剣な新聞記事の写真のすみに写っている怪しい人など。

9)はもう条件反射的に選んでしまうようだ。
宮崎あおいや小西真奈美、鈴木杏など。
ときどき名前も分からぬ外国人の女の子の写真(イスラエルの住民など)もある。
いったいどうしようというのか。

洪水のような新聞の切り抜きの真ん中で少し自分が分かった気がした。
by nekomachi_fumiwo | 2005-01-08 15:05 | 日記